Episode No.3508(20091123)
「のらくろ」と「ゴルゴ13」

ルネサンスバロック
どっちが先なのかも知らなかったけど、
昨日の「日曜美術館」を見て、よくわかった。

ルネサンス時代…といわれるのは、14世紀〜16世紀。
バロック時代…と呼ばれるのは、
その後、16世紀末から18世紀初頭。

ルネサンスは主にイタリアを中心とし…
バロックはヨーロッパ全土に広がっている。

その様式の広がりは、
絵画、建築、音楽…と多岐にわたっているが、
特徴的なのは、
理想的な様式美を描こうとしたルネサンスに対し、
バロックはより現実的で身近なものを
センセーショナルに描こうとしている点で、
どの分野にも共通した特長が見られる。

何だか、大学の講義みたいな話だけど…
これを日本の漫画の歴史に置き換えてみると、
わりと理解しやすいように思う。

かなり乱暴だが…
ルネサンスは「のらくろ」や
「宝島」など手塚治虫の初期作品を代表とする
丸くて漫画っぽい昔の絵で…
バロックは「ゴルゴ13」のような劇画の世界。

リアリティを追求する…という人間の欲求は、
何百年前も今も変わることなく繰り返されている。

…そして、写実的なもので溢れてくると、
また、非日常的な静かで精神的な
ルネサンスの世界を感じたくなってくる。

そういう理由で(?)、中川いさみの漫画を読んでる。

こち亀」はバロック様式で描かれたルネサンス哲学だなぁ。
美術館で売ってるだけのことはある。


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