Episode No.1157(20020510):こんなジジイになりたいっ!

明け方までパソコンに向かって仕事をしていると
妙に頭が冴えてしまった眠れない。

そんな時の良くない習慣。・・・ついつい酒に手が伸びる。

最近は日本酒が主流。
そして、酒の肴は・・・DVDだ。

先日、『20世紀の巨人〜文学と思想』という
ドキュメンタリーを買った。

その前には、同じシリーズで
『〜映像とイメージ』というのを買って見たが
記者会見でのチャップリンの映像や
フェリーニの撮影風景などの映像があって大変興味深かった。

『〜文学と思想』に登場するのは
カフカやカミュ、スタインベック・・・
本人の写真や映像を見る機会はまずないので
これも、つい身を乗り出して見てしまう。

中でも惹かれたのは・・・
マイ・フェア・レディ』などの作品でも知られる
ジョージ・バーナード・ショウ

1856年・・・
当時まだイギリス領だったアイルランドに生まれたショウは
15歳で銀行員となり、その後、数々の戯曲を発表。
1925年にはノーベル文学賞を受賞した。

細身の身体に
サンタクロースのような白い髭をたくわえて
おどけて見せるチャーミングな老人は・・・

「人生という劇の中で
 つねにポーズをとっているのが人間だ」

と言いながら、
画面に向かって厳めしい顔を見せたり、トボけた表情を見せたりする。

その皮肉たっぷりの言葉は、マーク・トゥエインとの類似性を感じさせる。
極めた人々が言っていることは・・・同じだ。

「幸せな生涯とは忙しい生涯のことだ」

ショウの言葉は、こう続く。

「幸せなのか不幸なのか
 考えている暇がないくらいに」

93歳まで現役でい続けたショウは
死の数ヶ月前、画面に向かって笑って手を振りながら、こう言っていた。

「私のおしゃべりは、とうとう一生止まらなかった。
 それを楽しんでいた。

 皆さんありがとう。そしてさようなら」


参考資料:「20世紀の巨人〜文学と思想」企画・制作・販売元=アイ・ヴィー・シー/映像文化振興協会