先日、偶然見たNHKの「視点論点」で、
確か大学教授だったと思うけど…
その人が最近の若者は「偶然に弱い」
…という話をしていた。
例えば大学の入学試験。
準備万端で望む
真面目な学生は多いが…
面接で想定外の質問でもされようものなら、
言葉に詰まるどころか
フリーズしてしまう人が少なくないという。
機転を利かせて、
うまい返答はできないまでも
何か言えばいいものを、
まったく止まってしまうといいうから驚きだ。
いつの時代にも
年長者から見れば、
若者は文字通り若輩者に違いはないが、
準備が整っていないと何もできない
…という感性はデジタル・エイジ特有のもの。
応用がまったく利かない…ということは
準備した内容はうわべだけのもので、
その意味が
完全には理解できていないのだと思う。
真面目さを取り違えてる
…ということもあるかもしれない。
準備はあくまでも準備であって、
大切なのは問題と相対した時にどうするか。
準備が完璧なら
結果も完璧だと思うのは
…明らかに早とちりだろう。
そんな早とちりばかりして、
できたつもりになっているから、
できないことを知った時、
どうしていいのかわからなくなってしまう。
そういえば野上さんの本にも、
こんなエピソードが書かれていた。
復員してきた男が、食うに困って
軍隊時代のツテを頼り、映画会社に入社した。
撮影助手にでもなるつもりだった。
何の間違いか、
履歴書はニューフェイスにまわってしまい、
男は俳優になることに…。
「男がツラで金をとるなんて性に合わない」
そう言い切った男は、
俳優であるにもかかわらず
ロケ現場では一番重い荷物を担いだ。
しかし、本人の意向とは裏腹に
俳優としての人気はどんどん高まって…
やがて“世界のミフネ”と呼ばれた。