Episode No.3128(20080905)
敬意の証

昨日話したチャップリンの息子、
ユージン・チャップリンの名前「ユージン」は、
母方の祖父の名をとったものだ。

母、ウーナは旧姓をオニールという。
つまり・・・
母親の父はユージン・オニール
ノーベル文学賞まで受賞した劇作家である。

チャップリンとウーナが結婚したのは、
チャップリン53歳、ウーナ18歳の時。

ユージン・オニールは、
自分と同じくらいの年の男・・・
ましてロリコンと言われていた芸能人に
娘が嫁いだことにを激怒。
生涯、チャップリンとは顔を合わせなかったという。

世界的に権威を誇る人も
町内の頑固親父も・・・
基本的には同じ・・・ってことだな。

事実上、4人目の妻
※前妻といわれているポーレット・ゴダートとは
 入籍はしていなかったらしい。

ウーナとの間にも8人の子供をもうけたが・・・
5人目のユージンが生まれた時、
夫と妻、どちらが言い出したのか・・・
妻の父の名をつけることになった時の
夫の心境は複雑だっただろう。

いや、もうこれだけの子だくさんになると、
名前を考えるのも面倒になるか、な。

しかし、そこは完璧主義者のチャップリンだから、
きっと妥協はしなかっただろうし・・・
自分の子だけでなく、
孫に自分の名前がつく喜びを知る年にも
・・・充分なっていただろう。

娘を奪った男から、
奪いたくなるような娘を育ててくれた父へ・・・
同時に世界の喜劇王からノーベル賞作家への
精一杯の敬意・・・と、いうところか。