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Episode No.647(20000922):男の性、女の性

「男は女への愛の証として・・・
 世界一高い山へのぼり、世界一深い海にもぐり、世界一広い砂漠を横断した。
 だが女は男を捨てた・・・男がちっとも家にいなかったから」

こんな男と女の感じ方、考え方の違いについて、脳の構造まで掘り下げた研究書が話題だ。

本のタイトルは・・・『話を聞かない男、地図が読めない女』。
ボディ・ランゲージの世界的な権威が書いた本で、世界22カ国でベストセラーになっているという。

まだ買ったばかりで、飛ばし読み程度しかしていないが・・・なるほど、なかなか興味深い。

「男は批判されるのを嫌う。だから処女と結婚したがる」

こんな言葉を見て思い出したのは・・・喜劇王チャップリンのコト。

前にも触れたコトがあるが、チャップリンは88年の生涯で4人の妻を持った。
最初の3人は女優で、最後の1人も女優の卵だった。

ヘタに演技のクセがついた役者を嫌ったチャップリンは、新人を発掘しては自分の思い通りに育てる。
まさに天才的な演出家でもあったが・・・その思いが高じて、私生活にも影響を及ぼしたのが4度の結婚だ。

最初の3人は結婚後も女優業を続け・・・金も名誉もまるで自分で得たような振る舞いをしてしまった。

わずか5歳の子役、ジャッキー・クーガンが名演技で泣かせたチャップリンの『キッド』という映画がある。
『キッド』のおかげでクーガンは注目され、その後も何本かの映画に出演したが・・・
結局『キッド』ほどの成功をおさめるコトはできなかった。
つまり、チャップリンの演出があってこそ・・・だったというワケ。

「男は問題を解決するために、ひとり石に腰かける。
 女があとを追いかけても、蹴り落とされるのがオチだ」

ひと度、映画製作がはじまると家にはちっとも帰って来ない。
しかも、問題があっても自分には何ひとつ相談してくれない。
淋しさを紛らわすために最初の3人の妻たちは、金ばかりつかいはじめる・・・そして破綻。

最後の妻、ウーナは小説家の娘だった。
だから、たとえ夫が問題を抱え込んでいるのを知っても、決していっしょに石によじ登ろうとはしない。
どんなに話しかけても、その問題を解決できるのは夫自身しかいないコトをよく理解していた。

チャップリンとの結婚を決めたウーナは女優になるのを辞めた。
自分にできるのは「安心して夫を悩ませてあげる」コトだと知っていたからだ。

こんな風に・・・男にとって都合のいい話ばかりしていると女性から非難されそうだけど・・・
ウーナは決して我慢していたワケではないと思うし・・・
こういう関係が成り立つのは、やっぱり男が男らしく頑張ったから・・・だろう。

都合のいい時だけ男を振りかざしていたんじゃ・・・説得力がない。

女らしい女が、男らしい男と出逢えるとは限らないけれど・・・
女らしい女と出逢えるのは・・・本当に男らしい戦う男だけだと思う、な。


参考資料:「話を聞かない男、地図が読めない女」アラン・ピーズ+バーバラ・ピーズ=著 藤井留美=訳
      主婦の友社=刊