Episode No.2927(20080107):
技術と設備
久々にバイク関係以外の本を開く。
経営の神様・松下幸之助が
経営に悩んで
海外メーカー、フィリップス社と
技術提携した時のエピソードを読む。
1952年当時・・・
資本金5億円だった松下は
日銀総裁にかけあって
フィリップスに2億円もの保証金を支払った。
たとえ2億円もの金をかけても、
フィリップスの技術が得られるのなら
安いと考えたのだ。
設備は金を払えば得られるが、
それを使いこなす技術は得られない。
馬子にも衣装・・・というけれど、
それだけなら、しょせん衣装をつけた馬子であり、
真の紳士にはなれないのだ。
そういえば昔仕事をした或る会社で、
こんなことがあった。
外注に支払うデザイン料が高いという理由で、
最新のカラーレーザープリンターを導入。
これで社内ですべて出来ると
勘違いした管理職がいた。
当然のことながら、
いくら高価なプリンターがあっても
元のデザインができる人間がいなければ
仕事はまったく進まない。
デザインはあいかわらず外注に任されることとなり、
高価なプリンターは、
どうでもいい社内の会議用に使われ、
かえってコストは高くつくようになってしまった。
どんなにいい材料があろうと、
最新の調理設備があろうと、
腕のいい料理人がいなければ
美味しい料理は作れない。
訓練や努力なくして
人を感動させることはできないのだ。
参考文献「シリーズ 偉大な日本人〜松下幸之助」宝島社=刊