Episode No.1406(20030225)
三つ子の魂を知る

「私があやまつと、だれでも気づく。
 うそをつくと、だれも気づかない」
・・・ゲーテ

会議室の困った人たち
責任の追及を恐れて
・・・決して本当のことは言わない。

あからまさにとわかることを口にするのは
さすがに気も引けようが・・・
本当は100分の1に過ぎないことを
99%以上に見せかけるというのも
端から見れば大嘘だ。

そういった自己弁護的な志向性、
不自然なまでの防衛本能は
いったいどこから来るのか・・・?

現実と刷りあわせると
とても理解し難い理屈も
実はそれを口にする人が・・・
一人っ子であるとか、
長男ではあっても末っ子であるとか、
あるいは女姉弟の真ん中のひとり息子であるとか、
そういったことを知ると
何なとく納得してしまうことがある。

無論、一人っ子がどうだということに関しては
例外もあるだろうが・・・
例外より、三つ子の魂といえる例が
圧倒的多数を占めることは事実じゃないかな。

結局、大人の社会にいても
根本においては
小学校時代にやっていてことと
何ら変わりはないんだよ、ね。

そこに利害や立場といった
一見複雑そうに見える事柄が増えてはいるものの、
人間の性格や生き方というものは
そうそう変わるものではない。

だとしたら・・・
大人になってから努力しても
一切が無駄か、といえば決してそうじゃない。

ただし・・・
努力をするには、
これまでの自分の傾向を知らなかったら
何に対して努力をしなければいけないのか
わからないじゃない?

世間の情勢がどうの・・・なんてことは二の次。
自分がそこを歩く時・・・
転びやすいと思ったら
注意して歩くことだよ、ね。


参考資料:「ゲーテ格言集」高橋健二=編訳 新潮社=刊