Episode No.1261(20020909):願い事を絵にできるか?
大なり小なり人は常に願い事を心に抱いているもの。
たとえ特別な夢や希望が今はない、としても・・・
自分や家族、知人の健康を願わない時はないだろう。
願掛け、といえばお手軽なのは神社。
小銭の賽銭だけでは安心できない時、
絵馬を奉納したりする。
合格祈願などでは、よく見かけるよね。
馬の絵を描いた薄い板に願い事を書いてブラさげる。
さて・・・
何故、馬なのか?
古くは実際に馬を神社に奉納していた
・・・という説もあるが、
それ以前から絵馬に似た風習はあったようだ。
絵馬という言葉が生まれる以前には・・・
十二支や富士山、井戸なんかも描かれていた。
病気やケガの治癒を願う場合には
治したい体の部分を描くこともあったらしい。
馬や牛を描いたのも・・・
農耕に不可欠な馬や牛の安全を祈願するのが目的だった。
まぁ、この程度のウンチクがあると・・・
デートで名所を散策した時の軽い話題にはなるだろう。
「僕は君が一番、大切だから・・・」
なんて歯の浮いたセリフにもグッとくる頃の2人なら
彼女の似顔絵でも絵馬に描き入れてみるか?
その絵があんまりヘタだと逆効果だけど、ね。
しかし・・・
どうやら昔の人たちは
字よりも絵を描くことの方が得意だったらしい。
そりゃあ、絵の方が歴史は古いだろうから当然。
字と絵の最大の違いは・・・具体性。
文字なら漠然としたイメージで何でも書けるけど
絵となると、そうはいかない。
抽象画だって、
しっかりとしたデッサンができない人には描けない。
つまり・・・
願い事に対して具体的な絵が描けるかどうかが
本当に祈願できるレベルかどうかの
分かれ目にもなっちゃう。
絵のうまいヘタは問題ない。
問題は、どこまで描き込めるか・・・だな。