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Episode No.124(990119):読み・書き・パソコン

時代劇などを見ていると、よく横丁で瓦版屋が号外を配っているシーンがある。
また、人相書きや御触書などがズーンとアップになるカットもよく目にする。

こうしたものを庶民が読んで、さまざまな噂話をしている場面につながっていくわけだが、今日のような学校制度もない江戸時代の庶民が、こうして自然に読み書きをしているというのは考えてみれば実に不思議だ。

しかし、これは時代劇の中だけの話ではなく、実際、日本の識字率は江戸時代には、すでに世界一だったという。

確かに寺子屋などはあり、幕府も浪人たちの生活を安定させるために私塾を開くことを許してはいたが、実生活の上で必要がなければ、よほどの志でもない限り、みんながみんな読み書きをしようとは思わない。

だが、その必要性はあった。
当時、日本国民の70%は農民だったが、洪水などの災害で年貢を減らしてほしければ、届書や請願書を文書として提出しなければないなかった。
漁民にしても漁獲高の記録には文字が必要で、商人にいたっては言うまでもない。

お上が決めたことに逆らっては生活できないのは昔も今も変わらない。

現在、厚生省では医薬品、医薬部外品、化粧品の輸入や製造許可の申請を書面ではなく、プロッピーによるデータ申請に切り替えることを積極的に進めている。
他の省庁における許可申請などでも、デジタル化の波はあるだろう。
2015年には、確定申告をインターネットで行う制度が導入される・・・という予定もあるようだ。

経済企画庁が98年3月に発表した統計によると、家庭におけるパソコンの普及率は25.2%。4世帯に1世帯の割合でパソコンが家あることになる。
「ファクシミリ」の22.2%をすでに上回っていることには少々驚かされた。

はたして、こうした動きの中、日本のパソコン普及率は、はたして世界一になるのだろうか・・・?


参考資料:「歴史おもしろ苦労話」泉 秀樹=著 三笠書房=刊 ほか

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