Episode No.1112(20020319):道をつけられるか?

この間、川の流れの話をした後・・・
また、いろいろ考えてみた。

以前・・・
ソニーの盛田昭夫が、
日本の"みこし型"組織運営について話したことを紹介したと思う。

担ぎ手のひとり一人は、
どっちへ進むのかよくわかっていないのに・・・
気がつくとちゃんと神社へ戻ってくる。

その話を思い出しながら・・・
川の流れを変えるという、この間の話を
もう一度考えてみると・・・
また、新しいことが見えてくるような気がする。

組織を変えようとする時、
個人の意識を向上させることは大切に違いないが
それだけでは、いくら訴えても
流れは一向に変わらないのが現実だろう。

そこで、まず自分が変わってみせるのも大切だが
それでも、それに気づいてくれるのは、まだ少ない。
ともすれば自分だけが浮いて見えるだけ。

じゃあ実際に、どうすればいいのか・・・?

ひと言でいえば・・・
自分で新しい川を掘るように
新しい道を広げていくしかないだろな。

他人にいくら意識の向上を促したところで・・・
それは流れる水に対して説教をしているようなものかも知れない。
何を問うても、自ら流れを変えることがないのが水の宿命だ。

ただし水は・・・
流れていく道筋さえあれば
放っておいても流れていくもの。

みこしが自然に神社へ進んでいくのは・・・
神社に続く道の両脇に、
見物人を整理するためのロープがはりめぐらされ
そこに道ができているから・・・なんだ。

よほどの意識でも持たない限り
人を押しのけてまで、道なき道を進むことなど、まずない。

そう考えると・・・
自分のやりたい仕事をする、ということは
そこに進むための道をつける・・・しかないと思う。

どんなに正しい理論も
言ってるだけでは誰もそっちを向いてくれない。
歩きやすい道を作れたら・・・イヤでもみんなついて来る。

いくら同じ組織にいても、思惑はひとり一人違う。
苦労をともにできる人間ばかりじゃない・・・ってことだ。

もちろん・・・
そこまでやれたら、そういう人とも出逢えるだろう
・・・きっと、ね。


参考資料:あっちの大きな組織と、こっちの小さな組織