Episode No.1257(20020904):かつて、狂気の夏があった

幼い頃、見たり聞いたりした話は
その後のずーっと頭の片隅に残っているもの。

小学校の時、
近くの公会堂で『象のハナコ』の人形劇映画を観た。

知ってる人も多いと思うけど・・・
のハナコ』は戦時中の動物園が舞台の実話。
人間が食べるものもなくなって・・・
安楽死を迫られた動物たちの悲しい話。

映画でのハナコは
死の間際で戦争が終わり助かったという記憶があるが
実際には死んでしまった。

今からちょうど59年前・・・
1943年9月4日は
実際に上野動物園の動物たちの
薬殺が開始された日。

空襲で檻が壊れて猛獣が逃げ出す危険性から
まず安楽死を迫られたのは、ライオンだった。

今年は、沖縄の本土復帰30周年で
テレビでも沖縄の特集番組がいくつも組まれていた。

たまたま目にした番組で最も強烈に印象に残ったのは・・・
米軍の上陸で洞窟に隠れた人たちの話。

隠れ潜む人たちの中には
まだ何もわからない子供がいた。

薄暗い洞窟との中で泣き出す子供・・・
一緒に隠れていた軍人が敵に発見されまいと
その母親に子供を黙らせるよう命じた。

やがて・・・子供は息の音さえ聞こえなくなった、という。

ジャック・ニコルソン主演の
『シャイニング』という恐怖映画があった。

狂った父親が妻と子供を斧を持って追い回す。

何が怖いといって・・・
今まで一番信頼していた者が
自分の命を脅かすほどの敵になることほど
怖いことはない。


参考資料:「今日は何の日」PHP研究所=刊