Episode No.1213(20020715):転ばぬ先のひと言

大人になると・・・
すってんころりん、と転ぶことはあまりなくなるけど
つまずく程度のことは・・・よくあるよね。

何故、つまずくんだろう・・・?

注意力がなかった
・・・と言ってしまえば、それもそう。

だけど・・・
つまずく最大の理由は
つまずく対象が、とても小さなモノだった
・・・ことにあるんじゃないかな。

一千万、一億の金を盗もうと思ったら・・・
用意周到にやるだろうけど
100円、1000円ごまかすのに
大それた準備をする者はいない。

だけど・・・
一億だろうと、10円だろうと、盗みは盗み。

誰かと結婚の約束をしたら・・・
その日まで、あれやこれやと真剣に考える。

軽い約束なら、そこまではなかなか考えない。
でも・・・
相手にとって、ひょっとするとその約束は
大きな約束だったかも知れない。

「円くとも、一角あれや人ごごろ、
 あまりに円きは転びやすきに」

・・・という日本の諺がある。

あんまり重箱の隅をつつくような
堅苦しい付き合いもしたくはないけど・・・
軽く考えていると・・・やっぱり、つまずく。

すぐに体勢が元にもどせればいいけど
つまずいて、立ち止まっているうちに・・・
どんどん時間は過ぎていく。

小さな約束を守れない人が・・・
大きな約束をはたせるわけがない。
1万円も持っていないのに・・・
10万円の借金を返せるはずはないんだ。

せめて「ちょっと待って」と声をかけないと
気がついたら、一緒に歩いていたはずの
まわりの人たちは誰もいなくなってるかも、ね。

ちなみに・・・
子供が、すってんころりんと見事に転ぶのは
頭ばっかり大きくて・・・バランスが悪いからだよ。


参考資料:「名言大語録」今泉正顕=編 三笠書房=刊