Episode No.310(990824):時代を盗もうとした男 一匹狼・・・いや、一匹「鼠」で窃盗を働いていた鼠小僧次郎吉が刑死したのが8月19日。 そして今日、8月24日は石川五右衛門が釜ゆでになった日だ。 今からちょうど405年前・・・1594年のコトだから、鼠小僧より、さらに238年も前の話になる。 時代は豊臣秀吉の頃。 秀吉の全国検知が済み、税法が確立・・・名実ともに日本統一が成された年のことで、キリシタンへの弾圧も強化された頃のコト。 五右衛門を頭とする盗賊一味は、いわば日本が統一される前の動乱の時代にあった最後の集団・・・とも言える。 そういう意味では、秀吉にとって五右衛門一味を捕らえて処罰することは、古い時代の終わりを世間に知らしめるため、絶対に必要なパフォーマンスであったに違いない。 また、五右衛門自身、秀吉が築こうをしていた新しい時代に反発し、秀吉暗殺を企てるが、秀吉の寝室に忍び込んだところを捕らえられた・・・とされている。 秀吉直々の命令を受けて前田玄以が最終的に捕らえたのは、石川五右衛門のほか、手下20名余り。 さらに、五右衛門の母親をはじめとする家族・・・もちろん五右衛門の子供も含まれていたという。 そして、有名な釜ゆでの刑となる。 家族を含めて全員が湯の底で死んだ。 五右衛門の時世の句・・・「石川や浜の真砂は尽くるとも世に盗人の種は尽きまじ」 罪人は斬首が当たり前の時代。 真夏の盛りに、あえて釜ゆでという刑が実行されたあたりにも、世間の注目を集めるための知恵が働いていたのだろう。 と、まぁ石川五右衛門については、以上のようなコトが伝えられているが、本当のところはわかっていない。 実在した人物であるかどうかさえも・・・! ひょっとしたら秀吉が世間の目を集めるために仕組んだフィクションかもしれない・・・と言っては考え過ぎか? しかし、それくらいの知恵がなければ日本統一という偉業は成し遂げられなかった・・・かもしれない。 はたして「時代」を盗もうとしたのは、五右衛門か? 秀吉か?
参考資料:「今日は何の日」PHP研究所=刊 「21世紀こども人物館」小学館=刊
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