Episode No.1170(20020525):当たり前じゃ、誉められない

小さな子供が横断歩道に立つ。
真剣な眼差しで信号機をジッと睨む。
やがて赤から青に変わると・・・
右手を高々と上げて、背筋をピンと伸ばし
青信号が点滅しないかと、少し緊張しながら
横断歩道を渡りきる。

そんな光景を目にすると・・・
たいていの大人は
「小さいのに偉いねぇ」と呟いたりする。

同じことを大人がやっても
当然のことながら、誰も誉めてはくれない。

誰だって・・・
人には、けなされるより誉められた方が嬉しい。

子供の頃は「できなくて当然」のことが少しでもできると誉められる。
しかし・・・
大人になって、いきなり「できて当然」という前提に立つと
誉められるようなこと難しくなってくる。

「できて当たり前」のことに胸をはろうものなら
むしろ馬鹿にされてしまうのがオチだ。

子供と大人。
世間から見た目はハッキリと違うけど・・・
本人の意識は変わっているようで案外変わっていないもの。

自分は変わっていないつもりでいても
周囲の見方は、どんどん変わってくる。

それに対応して、ある程度のことがこなせるようになるのが
実は大人になったということである感じがしなくもない。

子供の頃、習ったことは言わば「並みの人間」になること。
当たり前のことができるようになったうえで・・・
そこからが自分づくりのはじまり。

まったく『人生ゲーム』のようなもんだな。
スタート時に持ってる金は、誰もそう変わらない。

いざ、ゲームがはじまると・・・
その進め方について教えてくれる人は誰もいない。
教わらなければできない人に、
自分の人生はつくれないんじゃないかな?


参考資料:気がつけば、もう折り返し・・・クライマックスは、これから?