Episode No.1069(20020128)：酔うほどに・・・さめるのが怖くなる?! たいそうな金持ちではあるが・・・ 女房には逃げられ、心底語り合える友人もいない男。 その淋しさを埋めるため 毎晩のように浴びるほど、酒をあおる。 酔っていると、たいそう気前がいいが・・・ 酔いがさめると、一緒に飲んでいた友人の顔さえ忘れてしまう。 ・・・という、哀しくも可笑しい・・・ そして怖いキャラクターが登場するのは チャップリンの名作『街の灯』だが ドイツにも、まさしくこんな諺があるらしい。 「酒のつくった友は 　酔いのさめるとともに失う」 ワインや地酒の味を楽しむ趣向の人も大勢いるが 酒そのものより、酔って現実を忘れたい・・・ そんな飲み方をしている人も少なくない。 そういう飲み方は身体によくないし 第一、心の健康を害する元だ。 松田優作とはデビュー前からの飲み友達だったとう 桃井かおりは・・・ 何故、松田優作と楽しく飲めたかということについて こんな風に説明している。 「愚痴を言わない人だったのよね。 　飲んでても、前向きなエネルギーを感じさせてくれる。 　だから一緒にいても、かったるくなかった」 淋しい飲み方をしていると・・・ 同じような淋しさを分かち合える人と一緒にいられるようでいて 実は多くの友達もなくしてしまう。 誰しもみんな・・・ 自分の弱さを他人に理解してほしいと思いながら 実は他人の弱さや情けなさを見るのは耐えられないし 何より・・・ 自分が元気になりたいと思っているんじゃないかな。 酒を飲もうが飲むまいが・・・ 楽しさは、つねに苦しさと隣り合わせ。 楽しいだけのコトなんて・・・ どこにもないんだな。 私も酒は飲むけれど・・・ 飲んでも飲まなくても、さほど変わらないのが自慢。 それじゃあ飲むだけ、もったいない気もするけど、ね。