Episode No.1061(20020118):戒め・・・!

チャンスさえあたえてもらえば・・・きっと、できる。

そんな考えが、もしあったら
さっさと捨ててしまった方がいいな。

確かに、どんなことだって・・・やれば、できる。
でも、裏を返せば
やらなきゃ何もできない・・・っていうことだ。

まして小さなチャンスさえモノにできない人に・・・
誰がご丁寧に大きなチャンスを恵んでくれるものか。

本当は、この世の中には
やればできる人間なんてのは一人もいなくて
いるのは ・・・
やってる人間と、やっていない人間だけなんだ。

可能性・・・なんて言葉で
いつまでも自分を甘やかしていてはダメだ。

可能性とは何だ? 結局、時間だ。
そうこうしているうちに
どんどん本当の可能性をドブに捨ててるようなもの。

自力で頑張れるくらいの人でないと・・・
誰にも信用されないし、誰も手を貸してくれない。

近寄ってくるのは・・・
自分と同じ穴のムジナたちだけだ。

慰め合っているうちに・・・理想は徐々に低くなる。

最近・・・怒られたことがあるかい?

もし怒られたことがなければ・・・
自分が本当に怒られないだけのことを
やっているかどうか・・・自分で疑ってみる必要がある。

怒られなくなったのは・・・
自分の行動が正しいのか
それとも、ちょっとズル賢くなって
怒られそうな場所には近づかなくなったのか・・・
あるいは・・・
誰も自分のことを真剣に考えていてくれないせいなのか?

「親が叱らない、先生が叱らない、会社で上司が叱らない
 そんなことで良識ある人間が生まれるのか」

・・・というのは、松下幸之助の嘆き。

まわりから、ああだこうだと言われて
まわりの人たちはみんなおかしい、と感じたとたん
本当は自分だけが・・・おかしいんだよ。
そんなの尊重される個性じゃないよ、ね。


参考資料:「松下幸之助/日々のことば」PHP研究所=刊