Episode No.967(20011001):新時代の幕開け

野球界では星野、東尾、長嶋監督などの辞任・・・そして相撲界では曙が引退。
プロスポーツ・オンチの私でもわかるような名前が次々と姿を消すことになった。

プロスポーツ選手でも歌手でも俳優でもそうだけど・・・
その業界のファンでなくとも名前を知ってるというのは
本当の国民的スターなんだろうな。

曙の引退式では涙を浮かべる巨漢を、つい見入ってしまった。
言葉も通じぬ異国に来て
その国の国技で頂点を極めるなんて・・・本当に大変な努力だったと思う。

そういう意味では・・・イチローもすごいよなぁ。

さて・・・
つい最近買った、松下幸之助の本に相撲の面白さについて書かれていた。

横綱は確かに強い。
だいたい勝って当たり前なのが横綱。
しかし、立ち会いのタイミングによっては・・・
格下の力士や、たとえ小柄の力士でも勝つことがある。
だから相撲は面白い。

もちろん、松下幸之助の本だから・・・
その話題は、そのまま会社経営の例えとなる。

社長や上司は横綱に違いないが・・・絶対ではないし
小さな会社だからと言って、必ずしも負けるとは限らない。

吹けば飛ぶようなベンチャーから身を起こした松下幸之助の言葉だけに説得力がある。

「組織であるからには、若返りが急務である」・・・長嶋監督、退任の弁だ。

自分は横綱じゃないんだから負けて当たり前・・・
そう思っていたら、いつまでたっても勝つことなどできない。

上司から見たって・・・
人の言うことしか聞けない部下は頼りない。

自分の言うことさえ聞いていればいい・・・
そんな上司だったら、組織の未来はない。

ゲーテの言葉にも、こんなのがある。

「人間は不可能を可能にする唯一の生き物だ」

人間やめますか?
それとも、やるだけやってみますか?

可能性を捨てたら・・・自分の存在理由もない。


参考資料:「ゲーテ格言集」高橋健二=訳編 新潮文庫=刊 ほか