Episode No.253(990618):ひとりでも・・・やる!
プロデューサーという仕事は、実に魅力的だ。
人間、ひとりでできるコトには限界がある。
大勢のプロフェッショナルをまとめて、自分が理想としているモノを造り出していくことができるなんて、夢のような話だ。
漫画家ではないディズニーが、アニメの王様になれたのも彼のプロデュース能力がモノを言ったからだろう。
中にはエンジニアでもないのに、自分の理想の車を造り上げた男がいる。
プリストン・タッカーの伝記は、ルーカスがプロデュースし、コッポラが監督して80年代に映画化された。
まだ観ていない人がいたら、この週末にもレンタルビデオ屋に行って、ぜひ観てほしい。
実に勇気の出る映画だ。
タッカーについての詳しい話は、映画「タッカー」を観てもらうとして、ここでは理想をカタチにしていった名プロデューサーたちの共通点について話してみようと思う。
プロデュースと言うと、まず映画が頭に浮かぶが、ルーカスやスピルバーグといった名監督たちは、同時に名プロデューザーでもある。
また、一代で巨大企業を築き上げたソニーの井深 大や、その旧友、本田宗一郎。
松下幸之助などもある意味では名プロデューサーと言える。
企業が大きくなれば、自分ひとりでモノを作って売る・・・というワケにはいかない。
大勢の人間を動かしながら、自分の理想に近づけていくというのは、やはりプロデューサー的な仕事だ。
そのイメージが明確で、大きければ大きいほど、ひとりのプロデューサーの発想は時代をも作っていく。
ただし、やっぱり最初はひとり。
彼らに共通しているのは、最初はひとりでやっていた・・・ということだ。
それを面白がって仲間に加わる人たちがいて、やがて気がついたら、こんなに大きくなっていた・・・というのが実感ではないだろうか?
ひとりでもやり遂げてみせるという強い意志が、まわりの仲間を惹きつけていった。
最初から人まかせで動いていたのでは、自分のやりたいコトなどできるはずもない。