Episode No.1025(20011207):信頼を積む仕事

ああ・・・あわただしい。
さすがは21世紀初の年末。

仕事にはアクシデントがつきもの。
計画通りにコトが運んだら・・・誰だってできる。
そんなコトしてても、儲かりはしない。

・・・と自分を叱咤激励しながら今日も日が暮れてゆく。

また最近は、暗くなるのが早いんで・・・必要以上にあせる。
同じ時間帯でも、真夏ならもう少しのんびりした感じもするんだけれど。

仕事上のアクシデント・・・
あるいは客先からの無理難題の山・・・

断るのは簡単だけど・・・一度断ったら、もう話はかかってこなくなる。

昔、あるやり手の社長が仕事をしている様子を間近で見た。

客先から電話が入る
どうやら、何かの製品の問い合わせらしい。
その会社は販売店だから・・・
どんなメーカーの製品に対しても問い合わせがある。

社長は・・・
「ああ、それだったら・・・はいはい承知してます。
 今、手元に資料がないんで・・・すぐ折り返します」
と、言って電話を切った。

後で聞いたところでは・・・
電話口から飛び出した製品名は初めて知るもので
電話を切ってあわてて調べたとのこと。

バカ正直に「知らない」と答えてしまえば、そこで仕事は終わり。
楽をしていては、一銭も入ってこない。

何より・・・
あそこに聞けば何か手がかりがつかめる、
という信頼をその社長は着実に獲得している。

「不遇はナイフのようなものだ。
 ナイフの刃をつかむと手を切るが
 把手をつかめば役に立つ」・・・メルヴィル(米・作家)

同じ1日をあわただしく過ごしても・・・
着実に儲ける人と、結果的に損をしてしまう人の差が、そこにある。


参考資料:「心に感動を呼ぶこの名文句」大島正裕=編著 三笠書房=刊