Episode No.977(20011012):救われる条件

「企業、会社というものは
 他人がいかに潰してやろうとしても
 そう簡単に潰れるものではありません。
 必ず内部から崩壊していくものです。
 私は倒産の責任のすべては、経営者にあると思っています」

会社再建の名人と言われた興人元社長、早川種三の言葉だ。

確かにねぇ・・・
一般の会社だけでなく・・・役所病院の不正発覚も
内部関係者からのリークから、という例は少なくない。

誰かが誰かを犠牲にして甘い汁を吸っている・・・
そんな風に組織のメンバーに思われたら・・・内部崩壊のはじまり。

さらに早川種三は会社更生法などを使ってそこを救うべきかどうかという時、
以下の4点を判断基準にしたという。

1) その会社がやっていることが世の中のためになっているかどうか?
2) 労使間がうまくいっているかどうか?
3) 経理が明朗か?
4) 後継者が育っているか?

1番目と2番目は冒頭の言葉にもあるように「信頼関係」の問題。
これがなければ、いくら外部の人間が間に入っても話はこじれるだけ。

3番目は・・・粉飾ばかりで不透明な経営内容では、
水漏れは止められないということだろう。
無論、その不透明さが組織内での不信にもつながる。

最後も・・・やっぱり人の問題。

たとえ油田を持っていたとしても・・・
それを切り盛りする人間がいなければ仕事として成り立たない。

ヘタに儲かって、そこを勘違いしてしまうと・・・
組織が生活習慣病に陥ってしまい、大きな災害や事故がなくても
自ら崩壊してしまう。

個人の体も・・・夫婦や家族の関係も同じかも知れない、な。

自分は誰かの役に立っているか?
家族や友達とうまくコミュニケーションがとれているか?
妙なところで危ない借金などしていないか?
次に挑戦したいことはあるか?


参考資料:「名言大語録」今泉正顕=編著 三笠書房=刊 ほか