Episode No.1020(20011201):もっと好きになる

昔好きだった人が、今は嫌いになった・・・という話はよく聞くよね。
とくに男女の仲においては。

ただし、今日の話題はあいにく恋愛についてじゃなくて・・・オモチャの話。

大人になるとオモチャに興味がなくなる
・・・ということが、実は私には信じられない

昔好きだった人が嫌いになる、というのは
相手が昔とは変わってしまったか、
自分の価値観が大きく変わってしまったかのいずれかが考えられけど
昔、ほしかったオモチャが大人になるといらなくなるというのは
自分が変わった以外に原因が考えにくい。

変わることは成長することだから・・・それもいいけど
同じ変わるにしても
Aが別のBになったのも変化なら
10が増えて100になるのも変化。

と、いうわけで・・・
私の場合、オモチャに関しては、10が100になるという成長ぶり

子供たちとガチャガチャに興じる時も・・・
結局、一番たくさん買ってしまうのは私だ。

さて、通称ガチャガチャと呼ばれるこの機械。
日本に入ってきて、もう36年になると言う。
私が物心ついた頃には、確かにもうあった。

現在は100円玉用になっているが・・・
当時は10円玉を入れると小さなオモチャが丸いカプセルに入って出てくる。
もともとは丸い風船ガム用のモノを改良して作られたらしいが
オモチャを入れて売るというアイデアがアメリカで爆発的にヒットした。

今ではオモチャは人件費の安い中国で作られたものが主流を占めるが
40年前には同じような理由で日本のオモチャが主流を占めていた。

ガチャガチャがブームになったアメリカからは、
安価なオモチャの大量なオーダーが日本のオモチャ工場に殺到していたが
1965年にガチャガチャ・マシンが輸入されるまで
日本では何故こんなに小さなオモチャが売れるのかわからなかったらしい。

日本にガチャガチャを紹介したのは・・・
ペニー商会という小さなベンチャー企業

最初に数十機のガチャガチャが輸入された時には・・・
子供を騙して高額な利益を上げる不道徳な機械として、なかなか広がらなかった。

ところが・・・儲かる、という魅力には勝てなかったらしく
今では一部の大人も一緒になって騙されている、というワケ。

持っているのと同じのが出てしまうと悔しいが・・・
ほしいのが当たった時の感激はひとしお。
だから決して騙されているだけとも思えないんだけど・・・。

また、最近のガチャガチャのオモチャは・・・実によくできてる。
昔と違って裏側まで緻密な塗装が施されていて、ディデールもいい。

これもきっと上海あたりの女工さんが、細い筆で一生懸命に塗っているんだろう。

出来のいいオモチャを手にする度に私は・・・
日中国交回復を成し遂げてくれた田中角栄に心の片隅で感謝してしまう。


参考資料:「FLASH/12月4日号」光文社=刊