人生日々更新 -Main-
20120304

でじたけ流 教育論604

でじたけ流教育論 digitake.com


受験が終わったら、松井冬子展に行こう
…と、中3の長女と約束をしてた。

ヤフオクで安い招待状を2枚ゲットしたら、
カミさんに…「アタシの分がない」と言われた。

普段、美術に興味は示さないし…
まして松井冬子の絵からは目を背けていたはずなのにね。
…結婚20年を過ぎても謎は深まるばかり。

同じく受験を終えた高3の長男も
松井冬子にはやや興味があるらしく、
三人で行こう…ということになった。

…が、
イッキに気がゆるんでいた長男は発熱。
…で、結局元の計画通り、
長女と2人で横浜美術館をめざした。

入場料を見たら、なんと、
中学生はヤフオクで買った招待状より安いじゃないか!

なので、招待券の一枚は長男にやることにして、
長女は400円で入場。
来月から高校生になると…700円だな。

伊豆の美術館と違って、
都会の美術館はいつでも結構混んでいる
土地代の高いところで閑古鳥じゃあ続かないから、ね。

あいかわらず長女は食い入るように絵を観ていた。
私は二度目だったけど、やっぱり集中して観た。

美術館には、一種独特の張り詰めた空気がある。

ほとんどずっと立ったままでいるのと、
ずっと緊張して観ているせいで、
観ているだけなのに、結構疲れるもんだ。

それでも…
普段使わない神経を使っているから、
日常的な疲れとはまったく違う。
いわばスポーツをした時のような疲れだ。

今回もまた…
目の前にある絵と、絵を観て何かを感じる自分と、
何故自分がそんな風に感じるのかを客観視する自分が
グルグルめぐっている。

長女が一番気に入ったという絵は、
上下もわからぬ女の髪だけを描いた絵だった。

帰りにミュージアム・ショップで何枚が絵はがきを買った。

あいにく長女が気に入った絵は
絵はがき化されていなかったけれど、
実に色の綺麗な…
内蔵をむき出しにして微笑む女の絵はがきを買った。

おそらく、それが
友達に松井冬子をセンセーショナルに紹介するのに
適した絵だと考えたのだろう。

家に帰って、家族のみんなに見せてたけれど、
食事中の母親には…
「ごはん食べたら見せる」と言っていた。

後でそれを見たカミさんは珍しく「綺麗な色」と言っていた。

死体から飛び出す内蔵も、
概念で見れば怖かったり気持ち悪かったりするけれど、
色だけみれば意外と綺麗だったりする。
お腹に大きな花びらが開いている…感じ。

反射的に怖がるのも素直だけれど、
単に色として見るのも素直には違いない。

さて…
受験シーズンが終わって、これからは卒業シーズン。

毎週金曜日に、
長男の高校、長女の中学、
そして次男の小学校の卒業式がある。

さらに、その次は3回の入学式が続く。
新しい季節が来ると、みんな新しい環境になる。

なかなか素直に順応しきれないことも多いだろうけど、
ぶつかり合って見つかることも、また多い。

新しいものと相対することで、
本当の自分をつかんでいくしかない。

Copyright 1998-2012 digitake.com. All Rights Reserved.


人生日々更新 -Main-