料理を作る趣味はない。
一時期、パン作りをしたことはあるが、
粘土細工の延長として楽しんだ程度。
料理は化学実験のようなもので、
どちらかといえば理科系の作業じゃないか?
文系の私には、やっぱり難しいな。
そもそも味にこだわりはないし、
腹が満たされれば何でもいいし…。
時折、旨い蕎麦が無性に食いたくなるが、
あの店のあの蕎麦が食いたいと思うだけで、
自分で作ろうなどとは到底思わない。
ところが文章や絵なら自分で描きたいと思う。
美術館に行くのも好きだが、
高い絵をほしいとは思わないし、
どうせ飾るなら自分で描いた絵を
自慢気に飾ってやろうなどとは思う。
それでもカミさんがいない休みの日には、
腹を空かした子供たちのために
料理の真似事をすることがある。
できるのは…
焼き飯と野菜炒めとラーメン、
焼きそばくらいだけど、ね。
最も基本はすべて野菜炒めで、
そこに飯か麺が入ってるか…
インスタントラーメンに
野菜炒めが乗っているかだけの差。
味付けは焼き肉のたれ。
何をぶち込んで炒めようが
焼き肉のたれで味を統一すれば何とかなる。
ただし、入れすぎると辛くなっちゃう。
…当たり前だけど。
そんな時にはキャベツを足して再生。
親父が台所に立って何やらやっていると…
触発された中一の娘が何か作ろうとし出す。
で、味噌汁と酒のつまみを作らせる。
この間、娘が作った味噌汁は失敗で
…ただのお湯の味しかしなかった。
仕方ないので味噌を足しながら飲んだよ。
高1と小4の男連中は、
ただ待つだけで何もしようとしない。
とくに高1の長男は起きて来るなり
「何を食べれはいい?」と聞いてくる始末。
こんな依存心ばかりで
生き抜いていけるのかどうか心配になる。
皿洗いをさせても
汚れがちゃんと落ちてなかったり…。
いくら勉強したって、
まともに皿洗いもできないんじゃあ
ラーメン屋のバイトもできないぞ、と一喝。
いっそ、うんと腹を減らさせてみるのもいいか…!
だけど、そんなことしたら
コンビニに逃げ込んでしまうんだろうなぁ…。
便利さは人を不器用にしてしまうな。
多少ヘタだって…
自分で作れば
…達成感を味わえるというのに、ね。