20021208
でじたけ流 教育論

第125回
ヤジ


NHKのウンチク番組で
記憶のメカニズムについて解説していた。

日常の記憶は
「海馬」と呼ばれる脳の部分に
一時メモリーされているが・・・
その奥底に定着されるのが、なかなか難しいらしい。

「海馬」の記憶を小さな池だとすると・・・
その池から溢れ出したものが
ようやく奥底の大きな池に流れ落ちる。

つまり・・・
「海馬」の池を溢れさせるためには
そこに波立たせなければならないわけ。

この波を作るのは・・・感情らしい。

だから・・・
嬉しかったこと、悲しかったこと、
そして怖かったことなどは記憶に残りやすい。

新しくなった「でじべや」の私の机の上には、
例によってゴチャゴチャとモノが積み上げられているが
最近、増えているのが・・・『大魔神』のフィギュア。

子供が近づかないように・・・という、
まさに「守り神」のような意味合いもあるんだけど、
子供たちはむしろ
怖いモノ見たさで近づいてきてしまうことも、しばしば。

『大魔神』の、
怪獣とも、ショッカーの怪人ともとれない
異様な風貌に興味が湧くらしい。

ならば・・・ということで
早速、中古DVD屋で『大魔神』三部作のBOXセットを買ってきた。

やっぱり・・・大人が見ても怖い。

毒ナメクジ
長女(5才)が夢でみたという・・・恐ろしい毒ナメクジ
そもそも私に『大魔神』の印象が強く残っているのも
怖かったからに違いない。

ホームシアターで『大魔神』を目の当たりにした子供たちは
その晩、なかなか寝つけなかったようだが・・・
「早く寝ないと、大魔神が来るよ」と言うと
三歳の次男も懸命に目をつぶる。

そんなに顔がクシャクシャになるほど
力いっぱいつぶってたら
かえって寝られないだろうに・・・。

子供たちとは『ウルトラマン』シリーズを見終わって、
今は『ウルトラセブン』シリーズを見ている最中。

『〜マン』と戦うのは原始的な怪獣が多かったけれど、
『〜セブン』の敵はインベーダー。

そして、子供たちは・・・
『〜マン』の怪獣より
『〜セブン』の宇宙人の方がはるかに怖がる。

『〜マン』の時にも、三面怪人ダダ
かなりインパクトがあったようだけどね。

これはどういうことかと考えてみると・・・
ビルほどの大きさがある怪獣には
さほどリアリティを感じないが、
ドアの向こうに潜んでいるような等身大の宇宙人は、
何だか本当にいそうで怖いんだと思う。

ゴジラを見て夜トイレに行けなくなった子
・・・というのは聞いたことがないけれど
ショッカーの怪人が怖くて
トイレに行けなくなった子は多いだろう。

やっぱり、本当に怖いのは・・・
人間に近いものなんだ。

『大魔神』は人のカタチをしていて
二階の屋根くらいという大きさが妙に怖い。

子供たちは、怖いクセに
『大魔神』三部作をたて続けに観た。

基本的に『大魔神』は神様だから・・・
悪いことをしなければ
絶対に襲っては来ないということは理解している。

普段は『セブン』の真似ばかりしている次男が
時折、握り拳を顔の前に通過させて『大魔神』ごっこをする。

その顔は『大魔神』と言うより
梅干しを食った五木ひろしという感じだ。

故・円谷英二は、こんなことを言っている。

「怪獣は、ただ怖いだけじゃダメ。
 怖いと同時に愛されるキャラクターでないとね」

怪獣オヤジも、かくありたい・・・と思う。


でじたけ流 教育論

[ BacknumberBBS 御意見番 ]