Episode No.931(20010820):必要なものは目の前に置け!

「Out of sight, out of mind.」

珍しく原語のまま紹介したのは・・・
英語が苦手な私でも、これくらいなら覚えられそうだと思ったから。

「目に見えないものは忘れられる」・・・という英語の諺だ。

日本にも・・・
「去る者は日々に疎し」・・・という諺がある。

日本の諺の方は・・・
どんなに親しかった人でも、離れて会わないようになると忘れてしまう。
あるいは・・・
亡くなった人も月日が経つにつれて忘れられる・・・といった意味で
対象となっているのは「人」。

対して、英語の方は文字通り
例えば投函する予定の便せんも、カバンにしまい込むと忘れてしまう
と、いった直接的な意味合いが強いらしい。

忘れる・・・というのは、さまざまなミスにおいて最大の要因。
でも、忘れることで救われる・・・という場合も少なくはない。

人として忘れてはならないことは多いが・・・
忘れていかなければ、その後の人生がつらくてとても生きていけないことだってある。

忘れることにしても、何にしても・・・
結局、どんな場面でそれがあったかということで善にも悪にもなる。

厄介なのは、同じ場面で同じことをしても・・・
ある人にとっては善で、またある人にとっては悪に思えてしまうことだ。

そういう、いろんな解釈があるから面白いはずなのに・・・
自分が認められないモノは、やっぱり怒りになってしまう。

決してバカにするという意味でなく
笑いながら相手の話を聞ける人がいるとすれば・・・
それは、その両面について、とりあえず知ってる、あるいは見えているんだろう。
そのうえで自分はこっち、といった具合に。

それが見えない人は、見えない不安をかき消さんとばかりに吠える。
だいたい・・・そんなパターンだよな。

いくら余裕をかましたフリをしても・・・
相手に真意を見せられなければ、吠えるかわりに黙りこくっているだけの話。

「考えは、人に話してみて初めて、花が咲き実を結ぶものだ」・・・マーク・トゥエイン

見せない考えも・・・やっぱり、その人ごと忘れられてしまう。

「Out of sight, out of mind.」

さて、私がこの英語を忘れないためには・・・
これを書いた紙をトイレにでも貼り付けておくしかない、な。


参考資料:「ことわざの英語」奥津文夫=著 講談社現代新書=刊 ほか