Episode No.930(20010818):怒りの正体

私は・・・どちらかと言えば短気だ。

長い付き合いのある人や、仕事を通した付き合いのある人には・・・
「どちからと言えば、なんてのは余計で、あきらかに短気」と言われるだろう。

トーマス・ハリヴァートンという人に言わせれば・・・

「間違っていながら、それを認めたがらない時
 人はつねに怒りだす」

・・・のだそうだが、確かに心当たりも多い。
少なくとも・・・認めたくないモノがある場合、カッとなるのは間違いない。

ただ、こと仕事について言えば・・・
自分の価値観を相手に押しつけても無駄なことは、よくわかっているつもり。
だから、充分な打ち合わせの後、
合意された方向性で作業を押し進めるようにしている。

私が仕事で怒る時は・・・
「できます」と言ったことが、いいかげんな理由でやってもらえなかった時。
そんなの・・・認められないよね。

本人は嘘をつくつもりはなかったかも知れないけど・・・結果的には、ついてる。
そんなつもりはなかった、だけにかえって厄介。
つまり・・・平気で自分を裏切ってしまうようなモノだから。
自分で自分を軽く裏切るような人を・・・他人が信用してくれるはずはない。

中には・・・つもりも何も、状況がわかってなくて、ただうなずいている人もいる。
そういう人は・・・自分がプロだ、とやっぱり嘘をついている。

本当のコトなら・・・たいていの場合、認めてもらえるんじゃないかなあ。
たとえ相手にとっては迷惑だとしてもね。
迷惑だけど何とかしなきゃ、と相手が思ってくれるのは、認めてるからだよ。

「迷った時は真実を語れ」・・・マーク・トゥエイン

相手を納得させるだけの嘘をとりつくろう能力が本当にあったなら・・・
嘘なんかつかなくても何とかなるはずじゃないか?

それすら、わからなくなっている時は・・・
真っ先に自分が騙されている時だ。

そんな自分を認めたくなかったら・・・自分に怒れ。


参考資料:「格言の花束」堀 秀彦=編 現代教養文庫=刊 ほか