Episode No.849(20010516):潔く働け!

「とるに足らないと思っても、仕事をむげに断ってはいけない。
 その仕事が何をもたらすか、やってみなければわからないのですから」
・・・ジュリア・モーガンという女流建築家の言葉。

う〜ん、確かにそうだよね。
広告関係の仕事を15年くらいはやってるけど・・・
最初に頼まれたのはハガキ1枚だった。

ハガキ1枚の内容をまとめて、レイアウトといっしょに提出する。
その程度の仕事だったけど・・・
コピーもレイアウトも2案か3案は作って、約束より早く提出した覚えがある。

どうせ、ほかにやる仕事は何もなかったからね。

たまたま、それを先方の担当者が喜んでくれて
「まだ時間があるから・・・じゃあこっちも頼む」って言ってくれた。

そうやって・・・だんだん仕事が増えてきた。

当時は、まだサラリーマンだったけど・・・
とにかくいろんな仕事をして自分を試してみたかったから
声のかかった仕事は何でもやった。

今は自分で商売してるから・・・何でもやんないと食えないけど、ね。

でも・・・中には断った仕事も少なからずある。

仕事を引き受ける場合、念頭に置くのは・・・
やっぱり、どこにメリットがあるか、というコト。

基本的には「金」だけど・・・
「金」じゃなくて「経験」や「実績」を優先的に考えて引き受けるコトもある。

断った仕事の多くは・・・メリットの代わりにストレスしかないような仕事。
仮に「金」はよくても
他の仕事に悪影響を及ぼすようなストレスを引きずる仕事は、どうせ長続きはしない。

仕事は・・・実はとってくるより断る方が難しい。
一度、断ってしまったら二度とは頼まれなくなってしまうからね。

忙しくて断る・・・というのは一見当たり前のようだけど
断られた方にしてみれば「自分を優先してもらえなかった」という気持ちは強く残るだろう。

そこで、一番オーソドックスな断り方としては・・・
法外に高い見積を書くコト、かな。
そうすれば向こうの事情で断ってくるからね。

それでも頼まれたら・・・
「金」のためと割り切って、働くしかないけど、ね。

サラリーマンの場合には・・・
最初からむげに仕事を断れない立場にいるから、選択は難しいかも知れないけれど
サラリーマンという立場を選んだ時点で、もう自分で選択しているワケだから・・・
それは受け入れるしかないと思うな。

単純な話・・・嫌なら辞めればいいワケだし。

何だかんだ理由をつけて、つらがって見せるのは・・・
結局、自分を慰めてほしいからなんだよね。

そりゃあ、他人にはわからないつらさとか立場とかはあるだろうけど・・・
自分と同じ立場の人間なんて・・・
この広い宇宙に誰もいやしないんだから、さ。


参考資料:「グレイト・ウーマン」ペギー・アンダーソン=編 ディスカヴァー21=訳・刊