Episode No.844(20010510):小さな失敗

人間がやるコトには・・・失敗がつきもの。
だからと言って当然のような顔をして失敗するコトもできない。

小さな失敗に遭遇した時こそ・・・
とことん怒るべきだと思うし、決して通り過ぎてはいけないと思う。

怒られた方は・・・
こんな小さなコトに目くじら立てやがって、と思うかもしれない。
でも・・・
大きな失敗をした場合に怒ってくれる人は稀で
何も言わずに離れていってしまう人の方が多いんじゃないかな。

怒るっていうのは・・・結構、エネルギーのいることでもある。
中には怒るのを楽しみにしているような人もいなくはないけど、ね。

小さな失敗を見過ごしていると、やがて大きな失敗につながるのも事実。

歴史の教科書には、世の中が変わるような大事件しか書いていないけれど・・・
どんな天変地異にも前兆があるように
人間のやるコトにだって何か「きっかけ」があるものだ。

150年ほど前・・・黒船がやってきて日本は大きく変わった。

ペリーという軍人に屈し、考えようによっては不平等な条約まで結ばされた。
教科書の年表には、そこしか書かれていない。

だが、実際には・・・黒船が日本に姿を見せたのは、その時が初めてではなかった。

ペリーの艦隊が力ずくで開国を迫りに来た7年ほど前にも
アメリカ東インド艦隊司令長官ビットルという人物が黒船で日本に来ている。

この時、黒船はまだ沖合離れた場所で様子をうかがっていた。
ただし、その不気味な軍艦の姿を目撃した日本人は少なからずいたはずだ。

紳士的なビットルの開国要求を幕府が門前払いにしたために・・・ペリーがやった来た。

さらに、アメリカが開国を要求してきたのはビットルが初めてでもなかった。
しかも最初は「要求」ではなく「お願い」。

「お願い」にやってきたのは・・・非武装の民間商船モリソン号。
こともあろうに幕府は、このモリソン号に対し、話も聞かずにいきなり砲撃したらしい。

この時にキチンとした対応さえしておけば・・・
武力で不平等条約を押しつけられるコトはなかったというワケ。

第二次大戦でも・・・日本は同じような失敗をやってる感じだなぁ。

アメリカから「またか」と言われたら・・・
そんなに古い話をするなよ、と言い返したいところだけど。

ところで・・・
もともとアメリカが日本に開国をお願いしようとした大きな理由は
捕鯨のための寄港地解放のためだったとか。

捕鯨問題で何か言われたら、
もともと捕鯨がさかんだったのはアメリカじゃないか、って言い返したいけど
それこそ古い話はするなと言われそうだな。


参考資料:「歴史if物語」井沢元彦=著 廣済堂文庫=刊