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Episode No.810(20010331):普通の人々

先日、BBSでもちょっと書いたんだけど・・・

何かスゴイことを成しえた人を見ると・・・
ついつい「あの人は特別だ」とか「普通はそうはいかない」とか・・・
私も口にしてしまうことが多い。

でも、本当は同じ時代に生きてる・・・
しかも自分と同じように、1日24時間しかない人たち・・・なんだよね。

もちろん、立場の違いとか、経済力の違いはあるにしても・・・
それは、その人が頑張って手にしたモノである場合がほとんどじゃないかな。

自分よりスゴイ人を見ると・・・つい「自分とは違う」と思いたがるのは・・・
本当は、そう思うことによって自分が「安心したいだけ」なんじゃないだろうか?!

でも最初から違う人なんて・・・そうそう、いるモンじゃない。
どんなに天才と呼ばれた人だって・・・生まれた時には言葉さえ話せなかったんだからね。

偉い人がみんな「特別な人」だとしたら・・・
歴史に名を残した人たちの話をいくら聞いたって・・・何の役にも立たなくなっちゃう。

スゴイ人というのは確かにいると思うけど・・・それはスゴく頑張った人。
本当はみんな「普通の人」で「特別な人」なんかいないと考えた方が自分のためだ。

前にも話したことだけど・・・
私が毒物劇物取扱者の試験に受かった時に
「おまえは、もともと理科系の才能もあったからな」
なんて言った奴がいた。

でも今度、本を出したなんて話をしたら、そいつはきっと
「おまえは昔から物書きに向いていたからな」
と言うだろう。

向き、不向きということはあると思うけど・・・
それを言い訳にしていたら何もできないのも事実。

そんなに言うのなら・・・私は、あえてそいつにこう言ってやりたい。

「じゃあ、おまえは今生きてる時代に自分が向いてないというのか?
 でも、たぶん江戸時代に生まれていたら・・・
『こんな天下泰平の世の中じゃ、やる気がしない』と言うだろう。

 自分の生きる時代は選べないんだぜ。
 今、生きてる時代の中で自分を活かさなきゃ・・・何にもできないじゃないか?!」

最初から用意されてる才能なんてない。
あらかじめ与えられているのは・・・時間だけだ。


参考資料:いつもの人々