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Episode No.755(20010126):人柄が運を運ぶ

友人の名前は、Oさん・・・中国は福建省の出身だ。

彼と知り合ったのは、もう10数年も前の話。
その頃、彼はまだ学生で中華街でアルバイトをしながら調理師学校に通っていた。

彼の第一印象は・・・何せ人なつっこくて「明るい男」。
いつでも、ニコニコ笑っているので・・・ついついこっちも楽しくなる。

彼も今年で33か34・・・女房、子供とともに今も日本で頑張っている。

その頑張りは・・・日本で生まれて日本で育ってきた私たちの想像をはるかに超えていたコトだろう。
専門学校卒というだけでは滞在が認められないので・・・
猛勉強して四年生の大学に行ったり、生活費を稼ぐためにあらゆるバイトをしたり・・・。

それでも彼は・・・いつ会ってもニコニコしてる。

ただ笑ってるだけじゃなく・・・また、よく話す。
もちろん、日本語のボキャブラリーは、そこらにいる日本の若者以上だ。

Oさんとは、プライベートでも仕事でも、ごいっしょさせてもらったコトは多いが・・・
ただ無意味に明るかったり、余計なコトまで喋るというのではなく・・・
ハッキリと自分の意見を言うところに好感が持てる。

つまり、人付き合いは、とても上手だけれど・・・決して人に合わせているワケではない。

異国の地で生きていかなければならないという緊張感があって・・・
運良く知り合えた人たちとの付き合いを人一倍大切にしてきたのは言うまでもないが・・・
それだけでは自分があえて日本に来た意味がない。
自分の夢に向かって行くために・・・
日本での一見、豊かに見える生活には妥協しないという・・・強い信念が人に信頼される人柄を作った。

そう・・・人柄
先日、Oさんに会って、あたらめて「人柄が運を運ぶ」んだというコトを感じた。
イヤな奴でも能力や金を持っている奴は多いが・・・そういう奴には運がない。
むしろ運がないから、代わりの武器を振り回しているに過ぎないんじゃないかな?

Oさんは日本で少しずつ積み上げてきた運を花開かせて・・・去年、自分の会社を興した。

会社設立の話を聞いて、まず驚いたのは・・・
今まで勤めていた会社の名前で、その案内状が届いたというコト。
これからライバルになるかも知れない相手に・・・普通、なかなかそんなコトを許してもらえないと思う。

「見せかけだけの和はいらない。
 最初から馴れあっている人間に発展はない」

と、いうのはサッポロビールの河合滉二・元社長の言葉。

先日、会ったのは・・・昔の仲間によるささやかな「お祝いの会」。
Oさんは・・・10数年前も少しも変わらない笑顔を見せてくれた。


参考資料:「20世紀名言集〜大経営者篇」A級大企業研究会=編 情報センター出版局=刊