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Episode No.241(990604):日本語できてる?

上司からの電話を受けて「どうも、ご苦労さまです」・・・なんて言ってる人いませんか?

学校を出てからというもの、国語の勉強なんてモノはあらためてする機会は・・・まずない。
普通の生活をしているうえで、この日本国内にいる限り、日常会話に困ることはまずないし、少しばかりあらたまった挨拶をすることでもない限り、何の疑問もなく日本語を使っているのは、ごく当たり前の話だ。

最初の例で言えば、目上の人に対して「ご苦労さま」という言葉を使うのは、厳密には失礼な言い方だ。
「ご苦労さま」は言いかえると「よくやった。苦労をかけたな」という"ねぎらい"の言葉で、目上の人間が目下の人間に対して使う言葉である。
だから本来は「お疲れさまです」というのが正しい日本語。

「お疲れさま」と「ご苦労さま」は、もともと歌舞伎の世界で習慣的に使われていた言葉で、先輩に対しては「お疲れさま」、後輩に対しては「ご苦労さま」と返すのが"しきたり"だったという。

ほかにも何の気なしに使っている言葉の中には、案外あいまいで間違った使われ方をしているものが少なくない。

「一姫二太郎」を女1人に男2人の子供を指しているいるように勘違いしている人もいると思うが、正しくは「1人目は女の子の方が育てやすく、2人目は男の子がいい」という順番を言っている言葉だ。

言い回しとして間違いやすいのが「出る釘は打たれる」。
これは正確には「出るクイは打たれる」。
あと「歯にころもをきせぬ」ではなく、正しくは「歯にきぬ着せぬ」・・・だ。

「あくどい」は書くと「悪どい」となりそうだが、過剰にくどいことを意味しているので本当は「あ・くどい」となる。

オトナになると、この程度の間違いは誰も指摘してくれない。
指摘して恥をかかせては申し訳ない・・・と思うこともあるかもしれないが、内心はやっぱり馬鹿にされているかもしれない。

お互い、気をつけたいものだ。


参考資料:「誰もがあっと思いあたる間違いことばの本」日本社=編 講談社+α文庫=刊

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