Presented by digitake.com   

 

Episode No.685(20001106):ヤクザ vs 宇宙人

「テレビの視聴率って結局、スポンサーに金を出させるためのもんだろう?」

「視聴率ってひと口で言っても瞬間視聴率みたいな数字のトリックもあるし・・・」

「視聴率を調査してるビ○オ・リ○ーチとかだって電○の子会社のようなモノだし・・・」

・・・なんて会話も一部で飛び出した先日のオフ会。
会話を交わしていたのは、作品を作る側と広告を作る側とスポンサー企業の代表と言えなくもないけど・・・
実は単なる酔っぱらいオヤジたち。

おっと、作品を作る側の方はお酒が飲めないし、リッパな作品を作る側のお方だったけど・・・。

テレビの視聴率について、こんな話がある。

1991年・・・スピルバーグのあの大ヒット作『E.T』がテレビ解禁になった。
各局はしのぎを削って獲得合戦を展開し・・・その結果、日本テレビが勝利をおさめた。
その放送権料は推定28億円と言われている。

他局では『E.T』の裏番組をどうするか・・・必死に策を練った。
相手が『E.T』では視聴率を独占されてしまうのは当然・・・と、あきらめムードが漂った。

フジテレビでは、通常の2時間ドラマの枠を急きょ映画に変更。
その映画とは・・・『極道の妻たち』だった。

『E.T』vs『極道の妻たち』

大方の予想は・・・
『E.T』の視聴率は25%、『極道の妻たち』はせいぜい20%いけばいい・・・というところ。

ところがフタを開けてみると・・・
『E.T』は23.5%、対する『極道の妻たち』は25.9%もの視聴率を獲得した。

まさかの敗北を喫した日本テレビは・・・
「当日は雨が降ってサラリーマンが早く帰宅し
 子供たちにかわって父親がチャンネルの主導権を握ったのが敗因。
 しかし、局のイメージ戦略としては成功だった」
という苦しいコメントを出したとか。

視聴率が番組を高く売るための道具であるコトは間違いない。
そして、高い番組=大勢が見る番組に広告を出せば、広告したモノが売れる可能性は高いが・・・。

同時に、そういうところのスポンサーができる・・・っていう
満足感というか名誉欲も、モノが売れる売れないにかかわらずあるとは思う。

確かにモノを売る直接的な宣伝だけでなく・・・ある規模の企業になれば
企業、グループ自体のイメージアップまためのPRも必要だし・・・
企業には社会還元の理念も必要だ。

ところが・・・
"費用対効果"という基本中の基本を念頭に置かず
"慣例"として金を出していたのでは、やがて続かなくなるし・・・
失敗をイメージアップなんて漠然としたモノにすり替えてしまっては、いかにもサラリーマン的。

28億円・・・自分の金だと思ったら、そんな悠長なコト言える?

先般、ソニーはフジテレビへの出資1,000億円を白紙撤回した。
やっぱり、責任の所在がハッキリしていない企業は伸びないんだよなぁ。
恐ろしいコトに・・・国もそうなんだけど、ね。


参考資料:「大どんでん返し」運命の謎を探る会=編 青春出版社=刊