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Episode No.672(20001021):人生自転車操業

「どんな会社のどんな製品であっても永遠に成功し続けることはない」

写真の印画紙を販売していた祖父の会社を受け継ぎ・・・
後に周囲の反対を押し切って、売上の2倍近い研究費を注ぎ込み複写機を製品化。
1960年代には10年間で66倍にまで株価を跳ね上げた企業、ゼロックス。

このゼロックスの生みの親、ジョセフ・ウィルソンが残したのが冒頭の言葉。
現在は苦境に立たされている巨大企業ゼロックスにとっては、何とも皮肉な創業者の言葉だ。

人類が遠い昔から追い求めているモノのひとつに「永久機関」がある。
一度動き始めたら、外部からのエネルギー補給なしに動き続けるコトができる装置。

生物として「死」の恐怖から逃れるために、ある者は宗教によりどころを求め・・・
ある者は「永久機関」に夢をはせる。

しかし、本当に強い者は「死」の恐怖を認めて、今を生きる者・・・だと思う。

もしも、将来「永久機関」が実現したり「不老不死」が現実のモノとなってしまったら・・・
おそらく人類は何の努力もしなくなり・・・
たとえ生きていても喜びを感じなくなってしまうんじゃないだろうか?!

ゼロックスの例を挙げるまでもなく・・・企業も同じ。
過去の実績にアグラをかいて、新しい挑戦をしなくなったとん・・・退化する。

坂をのぼる時は大変だけど・・・転がり落ちはじめると早いからね。
体力も同じだと、最近よく感じるけど。

生きるコトは新しい何かを作り続けるコト・・・
これは考え方がどうとか・・・って問題じゃなくて生物としての掟。

なんせ人間の心臓は1日に10万回鼓動し、8トンもの新しい血液を全身に送り出しているんだからね。
そのおかげで脳が働くワケだから・・・考える以前の問題だ。

約80年の人生で心臓の鼓動は約292億回。
と、するとSONYの盛田昭夫元会長は、1回の鼓動で1円以上の遺産を貯めたコトになるな。

何の意味もない計算だけど・・・
売上が上がろうが下がろうが、事務所を借りているだけで家賃や光熱費がかかるコトを思うと・・・
そんな妙な計算が頭をよぎってしまう。
時々、意識しないと・・・つい忘れちゃうコトなんだけど、ね。

今月ももうすぐ終わり・・・
さぁ、急いで21世紀の仕込みをしないと・・・!


参考資料:「20世紀名言集〜大経営者篇」A級大企業研究所=編 情報センター出版局=刊
     「数字が語る現代常識」知的生活追跡班=編 青春出版社=刊