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Episode No.657(20001004):トンだ冒険

青森に三沢空港っていうのがあるよね。
前に出張で行ったコトがある。

後で聞いた話なんだけど・・・
あの空港は自衛隊もいっしょに使っていて、スクランブル発進の戦闘機なんかがスタンバイしてるらしい。
そういえば、戦場っぽい機があったような気がする。

飛行機は、ほかの乗り物以上に、ちゃんとエンジン暖めておかないと・・・すぐには飛べない。
そこで、スクランブル発進用の戦闘機は、朝から晩までエンジンかけっぱなしで待機してるんだって。
その燃料費だけで年間何億円にもなるらしい・・・。
安全って、やっぱり金がかかるコトだよね。

さて、今から69年前の昭和6年10月4日。
この三沢空港から一機の単葉機が飛び立った。

目指すはシアトル・・・無着陸太平洋横断への挑戦だ。
パイロットは2名のアメリカ人。
約7,900kmを41時間31分かけて、機は無事に到着。

しかし、重量を落とすため、飛び立つと同時に車輪を海上に捨ててきてしまったために・・・
着陸時には決死の胴体着陸を余儀なくされた。

この時の教訓が活かされて・・・
後に車輪を胴体にしまい込む技術が開発されたとか。

そういえば、この間、テレビでギネスに挑戦する冒険野郎を紹介してた。

驚いたのはスカイダンビング。
人間用のパラシュートをつけた小さなパラシュートを先に落として、その後を人間が追う。
人間はパラシュートを付けずに・・・!
途中でパラシュートを空中で拾って降りるという挑戦。

19年前にこの挑戦に成功した男は、2度目の挑戦に失敗して死亡。
その無謀な挑戦に今年、日本人が挑んで成功させた。

驚きはしたけれど・・・正直言って「何のために?」と思ってしまう。

確かに飛行機での挑戦があったから、今私たちは快適な空の旅ができるんだと思うけど・・・。
いかに人がやらないコトをやる・・・といっても、ちょっと無謀過ぎない?
せめて緊急用のパラシュート付けて飛んだって、充分スゴイよ。
だって、ほとんど・・・自殺じゃない?

一部のスカイダイバーにとっては伝説の英雄か何かわからないけれど・・・
挑戦をする人の家族、親族、友人、知人・・・誰ひとり勧める人はいなかっと思う。
かえって寿命を縮めてしまったんじゃないかなぁ。

どうせ命がけの冒険をするなら・・・何かしら人の役にたつ方がいいよね。
たとえ自分のためにする挑戦でも・・・ひとりで生きてるわけじゃないだろうし・・・。

スクランブルで燃料もやしてるだけの戦闘機と・・・
無謀な挑戦・・・どっちが無駄だと思う?


参考資料:「歴史の意外なネタ366日」中江克己=著 PHP文庫=刊 ほか