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Episode No.511(20000417):小利こそ真利

今日は久しぶりにエピソードらしい偉人のエピソード。

男は貿易商。
当時はダイヤの輸入を手がけていて・・・。
その日は約束の時間にシカゴにいるユダヤ人のディーラーの店を訪ねた。

ところが、ちょうどその店には、これから結婚を控えている若いカップルが・・・。
「あれにしよう」「いや、こっちの方が」・・・とイチャイチャ。
ユダヤ人ディーラーは親切にカップルにつき合ったが、お陰で貿易商の男は1時間も待たされるハメに。

ようやく自分の元にやってきたユダヤ人ディーラーに向かって男は怒りをあらわにした。

「あんた、どうしてあんなゴミみたいなダイヤを買う客を相手にするんだ!」

するとユダヤ人ディーラーは静かに言った。

「あなた、そういう精神じゃ成功しない。
 小さなダイヤを1個買いに来た客をいかに大切にするかが、成功するかしないかの分かれ道だ。
 若いカップルだから最初は小さいダイヤかも知れない。
 でも来年、そのダイヤを原価で引き取れば、もう少し大きなのを買ってくれるだろう。
 毎年、少しずつ大きくしていけば・・・
 何十年も経ったら、ずいぶんと大きなダイヤを買ってくれる。
 ビジネスというのは、そういう小さなことの積み重ねなんだ」

そう言われた男の目からウロコが落ちたコトは言うまでもない。

そして今、彼はダイヤとは比べ物にならないほど金額の小さなモノを売っている。
・・・
ハンバーガーだ。

男の名前は、日本マクドナルド社長の藤田 田。
マクドナルドでは現在、客単価334円という顧客を相手に、1人平均25円の利益という商売を展開している。

あいにく最近、私はマクドナルドのバンバーカーを
食べていないが・・・。
かつてはファースト・フードと言えど、わりと高価だったハンバーガーはメチャクチャ安い。

藤田 田がユダヤ人ディーラーから得た教訓は・・・"小利こそ真利"。
ビジネスで成功するためには"努力×時間"が必要だしいうコトだ。

半額のハンバーガーが売れるようになったのも、いきなり値を下げたからではなく・・・。
210円、130円、80円と着実に時間をかけて努力してきた結果。
"努力×時間"を惜しむ者は、しまいに一発逆転を狙って失敗するのがオチ。

藤田 田いわく・・・・「ビジネスに満塁ホームランはない」

そういえば今日4月17日は、
徳川家康の命日・・・1616年というから、今から384年前の話だ。
徳川幕府が250年も続いた背景には、家康の人の使い方の極意があったとも言われている。

「人の得意とするところを見抜け。1人の相手に多くを望むな。
 物頭、奉行、代官たちを度々交代させるな」

勤めが短いと何もできないうちに次・・・となってしまう、これではどこぞの大臣と同じで意味がない。
最も長すぎて、すでに機能していないのに
交代しない・・・というのも困りモノ、だけどね。


参考資料:「藤田 田語録」ソニー・マガジンズ ビジネスブック=編 ソニー・マガジンズ=刊
     「今日は何の日」PHP研究所=刊

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