今日、6月2日は横浜開港記念日。
日本で初めて国際港を目的につくられた横浜港が開港したのが、1859年6月2日。
今年は140回目の誕生日になる。
外国人居留地が開かれたおかげで、横浜を通じて全国に広まった物は多いが、中でもこれからの季節にうってつけなのがアイスクリームだ。
国内初のアイスクリームは、横浜の開港から、ちょうど10年後の1869年に関内は馬車道で販売された。
当時の呼び名は「あいすくりん」。
表記では「氷水」と示された。
「あいすくりん」の店を開いた町田房造は、勝海舟率いる咸臨丸の乗務員だった男。
当然、本場のアイスクリームの味は知っていたが、製法はよく知らなかった。
そこで、町田にアイスクリームの製法を教えたのが、北海道開拓使御掛の農林技師だった出島松造。
出島もアメリカへの渡米経験がある男で、アメリカで酪農技術を身につけた。
自伝によると出島は日本初の密航者だったらしい。
さて、今でこそ24時間どこのコンビニに行っても買うことができるアイスクリームだが「あいすくりん」の時代は、そうはいかなかった。
原料となる氷は、当時大変な貴重品。
電気冷蔵庫がない時代にあって、氷は寒冷地から運搬してくるしか手段がなかった。
町田は富士山、諏訪湖、日光、釜石、青森から集めた氷を船で輸送していたという。
原料のコストが高ければ、当然、商品の値段も高い。
そんなわけで、発売した当時の「あいすくりん」は、もっぱら外国人が食べているだけで日本の庶民にとっては高嶺の花だった。
つい最近、自宅の冷蔵庫が壊れた。
もう10年近くも使っていたので仕方ない・・・とは思ったが、新しい冷蔵庫が来るまでの数日間は何と不便だったことか・・・!
文明の利器に感謝しつつ・・・今年も快適な夏が来ますように。