豊かさを考える(６)
豊かな人生をデザインする
One week to think about the richness.

どんなに貧しくても…夢や希望がある。
むしろ、
夢や希望は、満たされないからこそあるもの。
…だとすれば、
豊かになって夢や希望がいらなくなることが
我々の望みなのだろうか…？

豊かさはカタチではなく、
身体や心を動かすことのできる、
いわば空間であることを認識できると…。
ようやく、
満たされないからこそ抱く夢や希望が、
豊かであっても持ち続けられる
…ということを納得できる。

かつて仕事において、
デザインは空間だ、という話を
よく聞かされたものだ。

物書きの立場、というより、
貧乏性の性質、からして、
例えばA４のスペースが与えられれば、
A４のスペースいっぱいに、
原稿を入れようとしてしまう。
…が、それでは読みづらいのは必至。

少なくとも他人に意図がわかりづらく、
伝わるのは…
伝えようとしている人も、
実はポイントがよくわかっていない
…ということくらい。

あえて鮨詰めのデザインもあろうが、
本来、デザインは
いかに空間をとるかが決め手となる。

さて、ここからは、こじつけになるよ。

はたして、同じ空間であっても
…心の隙間は、どうか？

自ら意図しないで出来た空間は、
生活においてバランスの悪さとなって
居心地を悪くする。

けれど、そこはデザインになぞらえて、
余計な要素を強引に持ってくるより、
別なものの配置をとることで、
全体のバランスをとる方法もなくはない。

物事の原理は一緒。

デザインのセンスを磨くように、
人生のセンスを磨かなければならない。

無い物ねだりばかりせず、
心の隙間を余裕に変えることができれば、
豊かに暮らすことも叶うはず。

だから…人生、日々更新。

【このシリーズ 了】

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01豊かさが命を軽くする

02豊かさは現実に押しつぶされる

03豊かさは親らしい親を育てない

04豊かさは思い込み

05豊かさは空間である