何事にもこだわらない…というのは、
つまり、
こだわらない事にこだわっているのだ。

無印という有名ブランドの商品は、
無印であるにも関わらず無印らしい。

その「らしさ」が支持を得る。

「らしさ」…は
自分が決めるものではない。
他人が感じるものである。

自分で自分らしさを演出するには、
相当な客観性と、哲学と技術、
…そして勇気を要する。

自分らしさを強調するのは、概して
自分が楽なスタイルでいたいが為であり、
そんな時、
他人が感じる、その人らしさ、とは
…だらしなさに他ならない。

ただ、そうした人間的な弱さは
必ずしも否定されるものではない。

そんなだらしなさが、
かえって自分と同じだと安心し、
自分との距離を縮めたりすることもある。

自分を向上させるには、
理想の相手の強さを真似るべきだが…、
通常の人間関係…
とくに男女間にあっては、
相手の強さではなく、弱さに惹かれた方が
関係は長続きしやすいのではないかと思われる。

強さに頼ってしまうのは相手にとって負担であるし、
金の切れ目が縁の切れ目となるのも、
…実はこのケースだろう。

一見して強そうな人は、
強くなることにこだわっている人であり、
常に強い人などいなるものではない。

そして本当の「らしさ」…は
物事が予定通りにいかなかった時にこそ
…発揮されるものだよ。