Episode No.3979(20110525)[生活]Life
記憶の扉
Door of the memory.
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普段、仕事の中では、
費用対効果ばかり考えざるを得ない。

その反動のせいか…
いや、単に年をとったせいなのか…
あるいは震災で価値観が変わったのか…
費用対効果では計り知れないものに惹かれるんだよ、益々。

スポーツは健康のために必要かもしれないが、
はたして芸術はどうか?
文学や音楽に触れなくても、
メシさえ食っていれば生きていけるのに、ね。

生命を維持することを
イコール肉体を維持することと考えるのが、
物質文明の特徴だ。

そこで三島由紀夫は叫ぶ。
生命尊重ばかりで魂は死んでもよいのか!

震災で家を流されてしまった人たちが
懸命に思い出のアルバムを探す。

その気持ちを理解できない人は、まずいないだろう。

かと言って…、
いや、被災者の方々だって、
その大切なアルバムを
これまで年に何度開いていたのだろうか?

片付けの基本は
使わないものを捨てることだ。

かと言って…アルバムは捨てないよね。
思い出したくない過去が写っていれば別だけど、ね。

アルバムを持っていることで、
いつでも思い出したいことを思い出すことができるという
…安心がある。

アルバムが
写真を貼ったアルバムの形になっていない場合もある。

最終的には、記憶だけがなだよ。

その記憶の扉を開くものであれば、
写真でなくても、マッチ箱でも石ころでも
何でも宝物になり得るんだと思う。

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