Episode No.3978(20110524)[日記]Diary
祈りの海
White bone on the rock.
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GWに次男を連れて伊豆に行った時、
川奈の浜の、もっと奥の…
地元の人たちしか行かないような小さな浜
散歩がてらに行ってみたんだ。

毎年夏には一度くらい来るんだけど…
去年まで廃墟だった船の修理工場が
…何だか活気に満ちている。

穴だらけだったトタンの塀も
ツギハギだけどふさがっていて中が見えない。
ただ確実に、そこに漁船が入っていて
修理の真っ直中であることは人の出入りでわかる。

地元の人に後で聞いた話だけど…
震災の影響で漁船の修復もいっぱいいっぱいらしい。

仕事が人を救う…よな。
ジッとしてると余計なことばかり考えちゃう。
やっぱり、幸せは忙しいものだよ。

その工場の先の岩場には、
いつものように釣り人が一人、二人…。

湿って黒くくすんだ岩の上に白く輝くものがある。

あっちにも…、そしてこっちにも。
あそこにも…、あんなに沢山!

流木を見ること自体は珍しくないけれど、
こんなにたくさん…なんて。
しかも、みんな太く逞しい木ばかりだ。

海の底をころがって、
見事に磨き上げられた白い巨木たちは、
遠くから見ると、まるで動物の骨のようにも見える。

根っこの方を近くで見ると、
松井冬子画伯が描く内蔵を思い出してゾクッとした。

生命感ではなく、生命があった感…。

この流木たちが、
どこから来たのかはわからないけれど…
ひょっとして北国から流されてきたのではないか
…と、ふと考え込んでしまった。

夕暮れの海は、知らん顔して
ひたすら波を送り続けている。

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