Episode No.2886(20071120):
人生10テラバイト
人にはそれぞれ
忘れられない瞬間というものがある。
その人が見た、感じた
記憶こそが本来、唯一の財産だろう。
そういう意味では・・・
米寿の祝いに10億円を
現金でポンと市役所に寄付した
お婆ちゃんの気持ちもわからなくはない。
1億でも充分なんじゃないか・・・と思うのは、
負の財産に苦しめられてる
私だけではないとは思うけど、ね。
さて・・・
ウェアラブル・コンピュータというものを
ご存じだろうか?
今、大学の研究室で
モバイルの次のコンピュータとして
実験が進められているらしい。
ウェアラブル・・・つまり「着る」コンピュータ。
カメラやマイク、GPSなどが組み込まれた
軽量のコンピュータで・・・
その人が歩いた形跡はもちろん、
見たもの、聞いたものをすべて記録していく。
さらに・・・
それを見たり聞いたりした時、
脈拍はどうなったのかなど・・・
健康データまでとってしまう。
この実用化に向けては、
コンピュータの軽量化だけでなく、
携帯電話のアンテナのように
街中にセンサーのようなものを
埋め込まなければならないので、
またしばらく先のことになるだろうけれど・・・。
ちなみに・・・
1日8時間、70年分のデータを
この方法で収集した場合に必要なHDの容量は
・・・わずか10テラバイトだという。
テラはギガの1,000倍だから、
ようするに1万ギガバイト。
少し前なら途方もない数字だけど、
今や個人のPCに
100ギガくらいのHDが付いているのは
何の不思議もない時代。
メモリがギガ単位だって珍しくはない。
最近では・・・1テラバイトのHDが
5万円台から買えるようになってるから、
一生記録しても、
せいぜい50〜60万で済んでしまう。
祖先が見聞きしたことが、
すべて検索できる時代が来るのだろうか?
しかし・・・
一生分の記録を見るには
・・・また一生分かかっちゃうよ、ね。
参考:放送大学「総合情報学2006」