Episode No.3898(20110219)
動機なき息切れ
Only one's heart moves oneself .
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金・時間・愛情…のうち、
一番欲しいのは、
いや唯一もらえるものがあるとすれば「金」。
でも、大切なのは「時間」…だな。

人生の材料とも言われる「時間」を
「金」で買えると信じていた頃もあった。

例えば、特急料金を支払いことで
目的地に早く着けば、現地での時間を増やせる。
それは「時間を買ったのだ」と。

だけど本当にそうなんだろうか?

何故そんな風に感じるのかといえば、
さんざんバタバタ動きまわったところで、
一日24時間という自分が持っている時間は、
一秒たりとも増えてないから…。

むしろ余計に動き回った分、
じっくり見れば気づいたことを
見過ごしてしまってるんじゃないか、と。

目的地で過ごす代わりに、
各駅停車の旅を楽しめるのなら
…それは、それなりに楽しいだろうし、サ。

「時間」を買った
…という錯覚に金を払った挙げ句、
何かを捨ててる感じさえしてしまうんだよ。

昔、もっと子供たちが小さな時に、
妹の子供と一緒にディズニーシーに連れて行った時、
どこ行っても並んでるんで、うんざりしてたら、
子供たちは広場を見つけて、
“だるまさんがころんだ”をやり始めた
それでも充分楽しそうなんだよ。

高い金を払っていいところに来た
…なんてのは親の自己満足が大きかったりする。

高い医療費を払って、
1分でも寿命を伸ばすことができれば、
本当の意味で「時間」を買うことはできるかもしれない。

だけど、それすら実は、
本人、あるいは肉親の自己満足だったりしないか。

金・時間・愛情…
そのどれを欲しいと考えるのかは人それぞれだけれど、
一番の問題は…
何のために欲しいと思うのか、じゃないか?

自分のためだと考えてると、
これがなかなか巡っちゃこないし、
自分のためだけに
モチベーションを維持できるほど、
人間は強くない。

まして、
人が持ってるから自分も欲しい
…程度の動機じゃ、弱すぎるよ、ね。

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