自分で体を動かしたり、
自ら筆をとって絵を描いたりしない限り、
スポーツを観る爽快感も、
芸術に触れる感慨深さも、
実は「そう感じる」だけの
錯覚なんじゃないかと思う。
いや、何も
錯覚することが悪いとは言わないけど、ね。
それが錯覚であることは
あらかじめ充分に知っておく必要があると思うんだ。
だってそうだろう?
3Dのテレビを買って、
物が立体的に見えるのはいいけれど、
そこにそのものがあると思い込んでいたら、
それは違うし…
戦争映画を見て、
映画館を出たら戦争をしているとは
誰も思わないはずだ。
手軽な「つもり」を買うのはいいけれど、
そこで満足することに慣れてしまうと、
本物がわからなくなるうえ
…飲み屋の女にいとも簡単に騙されちゃう。
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