Episode No.3637(20100422)
憧れの道具たち〜その歴史を探る(4)

憧れの道具は、
憧れの職業の人たちが使っている道具
…であることが多い。

私にとっては、
万年筆タイプライターがそうだ。

自主製作映画を作ることに夢中だったから、
あとはムービーカメラとか、編集機
…だったりするが、
プロ用の機材は、とても高価で、
さすがに個人で揃えることはできなかった。

今はデジタル化されていて、
編集もパソコンでできるから、
電波にのせるレベルのものだって
個人が自宅で扱えるようになったのはいいけど…

道具というものは
日常的なほど使用頻度は多くて、
自前で持つメリットも高いが…
あまり手軽になり過ぎると
緊張感を失ってしまうことにもなる。

こと、何かを記録する道具においては、
ある程度の緊張感を持っていないと、
自分の意識や考えは、
周囲はおろか、
自分にも残らないものになってしまう。

だから…
現像代を含めて1分撮るのに
1,000円くらいのコストがかかった
8mmフィルムに比べて…
延々と撮影しても気にならない
ビデオになってから撮った映像は
膨大にあり過ぎて…見る気もしなくなってしまう。

文章においても…
私の場合、こうして毎日打っている原稿は、
次の日の分を打つためにも活用できているけれど、
ワープロ打ちしたたいていの原稿は、
いつでも編集できるようになっているにもかかわらず、
活かされる機会は非常に少ないようにも思う。

それより手書きのものの方が、
日記でも手紙でも
繰り返し読みたくなるんじゃない?

あるいは…
ここ一番という時には、
この筆記具を使う…とか、
頑張った一日の終わりには、
お気に入りのカップでお茶を飲む…とか。

道具にとって、
手軽さは重要だけど、
生活のメリハリをつけるために
道具の活用するというのも
必要なことのように思う、な。

ただ、売る側にとってみれば、
手軽に使ってもらえるものじゃないと、
たくさん売れないから儲からない。

とはいえ、手軽なだけでは
簡単に売れないのも商売の難しいところ。

…明日はそんな話をしてみたいと思う。

3635 憧れの道具たち〜その歴史を探る(3)


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