Episode No.3612(20100324)
小さくて深い景色

春の選抜高校野球がはじまったので、
お気に入りの「日曜美術館」はお休みだった。

お気に入りとは言うものの…
日曜の朝、必ず起きている自信はないので
録画しておいたのを見る。

明治から昭和にかけて活躍した
日本画家・小野竹喬を紹介していた。

今年生誕120年…ということは、
チャップリンの1つ年下だね。

まったく知らなかったけど
…惹かれるものがあった。

まったく古さを感じない。

それどころか、80を過ぎてなお、
子供のような澄んだ眼差しを持っていたことに驚く。

子供のような…なんて言うと、
つたない絵のように感じるかもしれないけれど、
かつて岡本太郎
「自分の絵が、
 ようやく子供の頃描いていた絵に近づいてきた」
…と喜んでいたように、
余計なものをいろいろと背負い込みながら
長い年月を過ごしたうえで、
また子供の頃の魂を取り戻すということは
容易なことではないと思う。

「日曜美術館」にゲスト出演していた
洋画家の入江観さんは…
「画家は風景を見ているようでいて
 実はその風景を見ている自分自身を
 映し出しているものだ」
…と言っていた。

芸術家には、ほど遠い私でさえ、
毎日こうして何か書いたり、激を飛ばしているのは、
すべて自分を見つけ出す行為に他ならないだろう。

それにしても小野竹喬の絵は
描き方は日本画かもしれないけれど、
洋画の趣もあれば、
近代的なイラストレーションという感じもする。

見ていて何か懐かしい…
冷静な気分になれる…
決して余分な主張はせず、邪魔にならない。

そんな絵を飾るのに、うってつけの場所があった。
…パソコンのデスクトップだ。

早速ネットを検索し、代表作「池」を貼り付けてみた。

小野竹喬「池」

いい感じだ。
だが、23インチのモニタには、
…ちょっと解像度が足りない。


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