Episode No.3572(20100205)
比較偉人論-第3章 backnumber
三島由紀夫 松田優作
三島由紀夫 松田優作
(5) 男の現実

三島由紀夫
本名:平岡 公威(ひらおか きみたけ)
1925年1月14日生/ 1970年11月25日没-享年45歳
小説家・劇作家

松田優作
本名:同じ(旧名:金優作)
1949年9月21日生/ 1989年11月6没-享年40歳
俳優・歌手

今週は比較偉人論とは名ばかりで…
三島由紀夫と松田優作の名を借りて、
「男の言い訳」になったしまった感があるね、やっぱり。

男とはそういうもの…ということを、
いったい誰に理解してほしいというのか。

いや…何より自分が、
男になれているのだろうか?

子供を産める女は、
生まれた時から女だが…
男は鍛えない限り男にはなれない
…というのが私の持論。

男になる…とは何ぞや?

ひと言でいえば…有言実行
三島由紀夫も松田優作も、
命がけで有言実行を貫いた男の中の男だ。
そこに…男として憧れを抱く。

もうひとつ…
生きる者はみな、死と隣り合わせという、
現代人が忘れかけている緊張感

その研ぎ澄まされた緊張感が、
三島由紀夫と松田優作の瞳にはある。

長生きすれば幸せなのか?
…という問いは、
いったいいくら金を持っていたら安心できるのか
…という問題と同じだ。

時間も金も多いに越したことはない。
しかし、限られていることを
実感できた時、いったい何ができるか?

それが、その者の
アイデンティティであり、
存在理由であり、
美意識を貫く力に違いない。

見方を変えれば…
時間も金もない、
それでも何かを成し得るために
…我々は生きている。いや、生かされている。

世界に認められる力はなくとも、
目の前の誰かの力になることはできる。
そこが…与えられた居場所なのだ。

…そして、
すぐさまそれだけに満足せずに、
遠い未来のことまで思いを巡らせてしまう
…それが厄介な男の性。

見えないものに恐れを抱いて、
逆算して
絶望したり、
勇気をふりしぼってみたり。

死を目前にした
三島由紀夫と松田優作は、
その行動によって永遠の命を得た。

逆に言えば…
人一倍、死を恐れたが故
行動だったのかもしれない。

死を語る三島由紀夫(NHKアーカイブス)
https://www.youtube.com/watch?v=C5Y3fpHg45U

男はより現実的に、
女はより夢を抱くのが
…傾向に対するバランスのとり方かもしれない。

松田優作の墓標には、
映画監督・小津安二郎と同じ言葉が刻まれている。

…「

【敬称略】

─三島由紀夫と松田優作〈了〉

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