Episode No.3478(20091019)
錆びついた自動販売機

松下幸之助の本の中から
実にわかりやすい話を見つけた。

その逸話にプラスして
こんな例え話を書いてみた。

外出先でラーメンが食いたくなったとする。

あれ?
いつも例え話はラーメンだな。
…ま、いいか。

見つけたのは
味は評判の店で常連客も多い老舗。
ただしメニューは少ない。

並びにもう1件…
数え切れないほどのメニューはあるけど、
すべてレトルト食品の自動販売機。

さて、どちらを選ぶか?
…結論は明白。

豊富なメニューには
選ぶ楽しみがあるかもしれないが、
その時食べることができるのは、
しょせん一種類だけ。

値段が極端に安ければ、
そっちで我慢するかもしれない。
あるいは深夜、
そこしか食べるところがなければ、
そこで食べるより仕方がない。

ようするに、味見ひとつしていない商品を
並べているだけでは、
結局、安いか、
ほかにないといったことでもなければ
客に選んではもらうことはできない。

いや、ほかになくて仕方なく来た客は、
そもそも選んで来たわけではないけど、ね。

インターネットのショッピングサイトで
物が売れる理由もこれに似ているように思う。

売上を上げているのは…
流通を簡素化して安く物を売っている店か、
そこでなければ買うことができない物を売っている店。

ネットショップを
魔法の自動販売機のように考えるのは楽観的すぎる。

検索サイトにすぐかかるような
好立地条件をキープするには金もかかる。

人通りのない場所に置かれて
錆びついた自動販売機をよーく見ながら、
商売の基本は何かを頭に入れておかないと、
どんなに新しい手法も皮算用で終わってしまう、ね。


| 人生日々更新 | 最近のBacknumber | 架空対談 | 教育論 |