Episode No.3452(20090918)
飽きない人生のための空腹

何もせずにジッとしていると
…やがて、死にたくなっちゃうだろう?!

とくに秋の夜長なんかは、さ。

何のために生きてるか、
わかんなくなっちゃうから、ね。

ところが、そんな時にふと腹が減って
今じゃあ珍しい
チャルメラの音なんか聞こえてきたら、
いっきに「何か食いたいモード」に入る。

とりあえず
ポケットにサイフを押し込んで外へ出てみる。

すると、屋台はもういない。

どうせ食うなら、
あそこの旨いラーメンが食いたい
…なんて欲が出てきて、
行ってみると、これが休みなんだな。

こうなると無性にラーメンが食いたくてたまらなくなる。

別な旨いラーメン屋までは少し距離がある。
それでも、もう
途中の店なんか眼中になくなって
必死でそのラーメン屋まで急ぐ。

はたして店は開いていた。

しかし…
あっちの店が休みだったから、こっちは激混み。
歩道まで人があふれている。

だけど、もう絶対食いたくてたまらないし、
だいたい他の店を探す気力、体力なんか残っちゃいない。

ただジッと…
いい臭いのする歩道の中で耐える。

さっきまで部屋でジッとしていたのと、
まったく同じポーズなのに気分はまるで違う。

そして…ついに席についてラーメンを注文する。

ひと口食って…
「ああ生きててよかった」って心底思っちゃう。

人生…ってのは、こんなことの繰り返し。

ただし、苦闘の末、出逢うことができるのは
ラーメンばかりじゃないから…飽きない。


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