運送業のつらい一面について話をしていたら
…こんな話も耳にした。
地方から都心に運ばれてくる大量の食物。
トラック便だけでなく
貨物列車のコンテナも多いが…
コンテナも会社によって
冷蔵機能がついていたり、いなかったり。
運んでいるものに、そう変わりはないというのに。
最も…
船で運ばれてくるバナナだって、
緑色をしているうちにもいで、
船の中で黄色く熟しているんだけどさ。
決して冷やせば安心…というわけでもない。
確かに雑菌の繁殖力は弱まるだろうけど、
冷蔵庫自体、完璧な無菌状態でもなければ、
100%安全な空間でもない。
そんなことまで言ったら何も食えなくなるけど、さ。
無理矢理な運び方をしても
安全が脅かされるだけだし、
自然に熟して落ちた果物の旨さを知ることはできない。
食べ物に限らず、
物であふれた都会は…
決してホンモノがたくさんあるわけじゃない。
もっと言えば偽物だらけ。
それをホンモノだと勘違いすると
ホンモノの喜びを知ることができなくなっちゃう。
それはかえって貧しいよなぁ…
物がたくさんある場所に身を置けば、
いい物にたくさん出会えるような気がしているのは
…錯覚だろう。かえって探しづらいし。
やっぱり、ホンモノは自分の足で探さないと。
そもそも…
人であふれかえる東京に江戸っ子なんて滅多にいない。