別に持病があるわけじゃない。
ただちょっと運動不足なだけ。
それなのに「死」を語るなんざ、
たいした贅沢な話で分不相応だろうけど、
それでも感じるものがある。
思い返せば何故かしら、
「死」を意識して生きてきたように思う。
別に戦時中に生まれたわけでもないのに。
幼い頃、母親に何気なく尋ねた
「人はいつか死ぬんだよね?」という一言。
三輪車に乗って、
パーッと走っている時に、ふと感じた。
そのまま井戸端会議をする
母親の足下まで走っていったのは、
まだ小学校に入る前だったと思う。
近所のおばさんとの話に夢中だった母は
「そうよ」と軽く答えた。
それが、ものすごくショックだった。
現実はいつもショッキングだ。
その後、小学校高学年の時、
同じ学校に通う兄弟が交通事故に遭って、
兄が亡くなった。
高校1年の時、仲が良かった友人が、
やはり交通事故で亡くなっている。
年と共に「死」は身近になってくる。
突きつけられた現実を
一つずつ認めていくことで
大人になっていく…はずなのに、
実は現実から逃げる方法ばかり
…考えるようになったりしてね。
だけど、そんな誤魔化しが通用するほど
…人生は甘くない。
50前の未熟者が考え込むこっちゃないけど、ね。
年齢はカンケーないよ、やっぱり。